日記

第144回定期演奏会

先日の定期演奏会をもちまして卒団いたしました、2019年度責任者の別府洸太です。
去る12月15日、東京芸術劇場コンサートホールにて慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団第144回定期演奏会を無事に終えることができました。この度の演奏会でお世話になった先生方、OBの皆様、関係者の皆様、そしてご来場いただいた皆様に御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
第1ステージでは、佐藤正浩先生の指揮で『Colors~ラトビアの人と風景~』と題しましてラトビア人作曲家の曲を4曲演奏いたしました。この曲は東京六連でも演奏いたしましたが、Trinklieder(酒飲みの歌)調の民謡、祖国を想う民族の歌、現代宗教曲、グラスハープを用いた曲と非常にバラエティーに富んだステージでした。このステージを通してラトビアという国の色を少しでも感じていただけましたなら幸いです。
第2ステージでは、学生指揮者の山内祥平の指揮で、森田花央里先生作曲の『青い小径』「みどりの窓」を演奏いたしました。『青い小径』は6月の東西四連で雨森文也先生の指揮、平林知子先生のピアノで男声版委嘱初演した作品です。「みどりの窓」は今回の定期演奏会が男声版委嘱初演となります。今回はピアノを作曲者でいらっしゃる森田先生をお招きし、9thの和音や非和声音の鳴らし方をご指導いただきました。慣れない音に苦労する場面もありましたが、これらの音を通して竹久夢二の世界を探求することができたと思っております。
第3ステージでは上田真樹先生作曲の『終わりのない歌』を、清水雅彦先生の指揮と前田勝則先生のピアノで演奏いたしました。清水先生には声楽家の観点から日本語の歌い方、デュナーミクによって紡がれるフレージング、音価に込められた思いなど様々な歌へのアプローチの仕方をご指導いただきました。客演の先生によるステージは団員にとって毎年新しいものばかりで大きな刺激となり、今年もとても貴重な経験をさせていただきました。
第4ステージは『Man of La Mancha ラ・マンチャの男』を佐藤正浩先生の指揮、前田勝則先生のピアノ、大里みどり先生のパーカッション、漆畑萌里さんの演出により演奏いたしました。ミュージカル作品ということでいつものワグネルブレザーではなく、黒シャツ衣装で演奏いたしました。この曲は30分に及び、多くのソロを要する作品です。様々な登場人物の心情を歌声、表情、言葉、演出により表現いたしました。演奏後に大きな拍手をいただき、ご来場の皆様の心に響くものをお伝えすることができたと確信いたしました。
第4ステージの後は清水先生・佐藤先生・山内によるアンコール、そしてステージストームでは毎年恒例のカレッジソングを演奏いたしました。毎年歌ったカレッジソングもついに最後となり、4年間の思い出が頭の中を駆け巡りました。最後の「丘の上」の指揮者交代の瞬間には、後輩にバトンが渡されたこと、自分たちが卒団することをひしひしと感じました。
今年のステージはワグネルのレパートリーではない作品を多く扱ったため、練習の段階で苦労することが多々ありました。しかし、この1年間の活動を通してこの団体の可能性を改めて感じることができました。
1年間責任者を務めてまいりましたが、本当にたくさんの方々に支えていただきました。お世話になった皆様には感謝の念に堪えません。私たちはこれで卒団となりますが、ワグネルの後輩たちはこれからも佐藤先生と共に更なる音楽を追及し続けます。これからも現状に満足することなくクレッシェンドするワグネルを暖かく見守っていただけますよう、よろしくお願い申し上げます。