日記

音楽堂に響いたワグネル・トーン

経済4年 Top Tenorの中島です。
今回、私たちは9月20日から9月23日まで福島へ演奏旅行に行ってきました。福島で歌った機会は2回、福島市音楽堂での福島演奏会と会津で行われた「ゆうやけの歌フェスティバル」での賛助出演でした。
今回私は福島演奏会開催においてチーフマネージャーを務めたのですが、今まで経験してきたどんな仕事よりも大変でした。地元である福島三田会との打ち合わせに始まり、予算作成、広告依頼、チケット取り纏め、名義後援、チラシ・プログラム作成、ワグネル三田会、佐藤先生との打ち合わせ等々今までサブとして側面からの参加に留まってきた、ないし全く関与しなかった事柄にチーフとして参加しましたが、未経験のことも多く色々と運営面で躓き、ご協力下さった皆様に多大なご迷惑をおかけしてしまいました。この様な未熟者に、お忙しいにも関わらずあらゆる面から手厚いご指導を、そして多くのご支援を三田会の皆様より賜りました。またチーフが乱発する(?) 仕事の指令にも愚痴一つ言わずこなしてくれた同期、後輩にも本当に助けられました。

この様にして当初はかなり拙かった運営も徐々に方向性が定まり、成功へ向けて一直線となったのですがそれでも三つの壁が大きく目の前に立ちふさがっていました。一つは合唱王国福島でワグネルの名に恥じない演奏をすること。今年の夏は例年以上に練習日程が過密であり、福島演奏会の為の練習はかなりギリギリのスケジュールで行われました。その中で色々と文字通りの不協和音が生じていました。もう一つは、どれだけ多くのお客様がいらっしゃるか。電話注文などでも当日券をお求めのお客様が多く、普段の定期演奏会に比べて集客数が予想しづらい事態が当日まで続きました。三つ目にはフロント。今回はフロント系列の大半が演奏会に参加出来ず、自分がフロントマネージャーを兼任する事態となりました。
そして当日。危惧された演奏は前日のリハーサルと当日のステージリハーサルである程度目処がつき、フロント業務もOBやお手伝いの皆様のおかげで予想より遙かにスムーズに進みました。残りの不安は集客だけだったのですが、開場30分前にも関わらずお客様の行列がずらりと出来ていました。「もしかしてこれはかなり埋まるか?」とその時はまだ半信半疑でしたが、開場後もお客様は途絶えること無く多くのお客様にご来場頂きました。先述の当日券もなんと100枚を大きく超えるという定期演奏会でも経験の無い嬉しいことになりました。結果当日は大変多くのお客様にご来場頂き、中央席がほぼ満席という素晴らしい光景が目の前に広がりました。

『斎太郎節』のソロを歌う筆者

『斎太郎節』のソロを歌う筆者

いよいよ本ベルがなり本番。第一ステージで自分は斎太郎節のソロを務めましたが、一週間前より体調と喉の調子が優れず不安だらけのソロでした。それでもお客様から暖かい拍手を頂き、ほっとした記憶が鮮明に蘇ります。
第二ステージでは、今回多田武彦先生が四連合同のために委嘱して下さった「達治と濤聲」を佐藤正浩先生の指揮で演奏しました。四連合同では数百人の男声合唱と言うことでとにかく豪快な演奏になりましたが、福島では佐藤先生のご指導の下、静寂さとダイナミズムを併せ持つ、四連の時とはまた違う演奏が出来たのではないかと思います。
そして福島大学混声合唱団の単独ステージを挟んで迎えた第四ステージでは、我々は再び佐藤正浩先生の指揮で四連単独で演奏したプーランク作曲「アッシジの聖フランチェスコの四つの小さな祈り」とサン・サーンス作曲「サルタレッロ」を演奏致しました。プーランクを音楽堂で演奏したときの感動は今でも鮮明に覚えています。我が国屈指の響きを誇る福島市音楽堂では、信じられないくらいハーモニーがきれいに響きました。

最後に迎えた合同ステージ。福島大学混声合唱団の皆様と一緒に、「夜明けから日暮れまで」「群青」の2曲を、伊藤勲先生と佐藤正浩先生の指揮で演奏しました。「夜明けから日暮れまで」は和合亮一先生の震災に苦しむ人々を勇気づける詩を、「群青」では小高中学校の生徒達が綴った震災で離れ離れになってしまった仲間達への想いを綴った詩を演奏しました。合同ステージも大変な好評を頂き、「群青」の演奏終了後には「ブラボー!」と大きくも暖かい言葉を頂きました。そして最後のアンコールでは「落葉松」を指揮・伊藤先生、ピアノ・佐藤先生で演奏致しました。かつて会津高校「ゆうやけの歌」のピアニストとして全国に名を馳せた佐藤先生のピアノで歌った機会はこれが初めてであり、大変貴重な経験をさせて頂きました。

その後杉妻会館で行われたレセプションも、吉川会長や佐藤先生からお褒めの言葉を頂くなど大変盛況のうちに終えることが出来ました。

今回の福島演奏会を盛会裡に終わらせるにあたり様々な方にお世話になりました。四連の時から福島演奏会を見据えて選曲を考えて下さった佐藤先生、賛助出演を快く引き受けて下さった福島大学混声合唱団の皆様と伊藤先生、広告・チケット・メディア宣伝の面で手厚いご支援を賜った福島三田会の皆様、東北ワグネル三田会の皆様、チラシ・プログラム作成、当日のフロント業務などでご指導下さったワグネル三田会の皆様、こんなチーフに最後までついてきてくれた同期、後輩の皆、そして当日私たちの演奏を聴きにいらして下さった多くのお客様に心から感謝を申し上げこの記事の締めくくりとさせて頂きます。

福島での演奏

ご来場の皆様、ありがとうございました!