日記

「日本名曲アルバム」収録の裏側

去る10月半ば、世田谷の砧(きぬた)スタジオにて、ワグネル女声合唱団のみなさんと一緒に、BS-TBSのテレビ番組日本名曲アルバムの収録に行ってまいりました。

「日本名曲アルバム」は、『世代を超えて、歌い継ぎたい曲がある』をテーマに、色とりどりのアーティストと合唱団が競演する音楽番組です。私たちは出演さていただくのが今回で2回目となります。今回は、群馬県民謡「八木節」の男声の力強いアカペラ曲から、「エーデルワイス」のようなしとやかな女声のハーモニー、そしてDREAMS COME TRUEの「未来予想図Ⅱ」のような現代を代表するポップスを混声で演奏させていただきました。

この日記では、その知られざる収録の裏側を、ベース2年信濃から少しばかりお伝えしたいと思います。気になる放送日は日記の最後に書いてあります。
みなさま、ぜひ放送をご覧ください。

混声ステージの様子

混声ステージの様子

今回、男声・女声に分かれての曲は2曲ずつ。混声では5曲収録し、うち1曲「荒城の月」では女優で歌手の島田歌穂さんと共演させていただくことができました。国際的なミュージカルの最前線で活躍され、現在は大阪芸術大学舞台芸術学科教授である島田さんの歌声は本当に美しく、感動しました!
素敵な舞台にご一緒させていただきありがとうございました。

収録の朝

収録の朝

さて、朝早くから集合した団員たちは、案内していただいた控室に荷物を降ろしまずはひと息。さあ体操から始めよう、というところで、部屋に見知らぬ若い女性の方々が入ってきました。そしてなんと、伸びをする私たちの顔をひとりずつ眺めてまわり始めたではありませんか。

知らない女の人が入ってきた…?

知らない女の人が入ってきた…?

実はこの方々、慣れないテレビ収録に臨む私たちにメイクをしてくださるメイクさんだったのです!
どうやらメイクは全員にするわけではなく、「必要がある人」のみに行うようでした。突然始まった試練に驚き、体操を中断して不安げに顔を見合わせる団員たち。そしてついにひとりの団員に、「では、あちらへ…」と出口を指すメイクさん。歓声をあげる者、次は自分だと覚悟する者、選ばれなくてホッとする者。ひとり、またひとりと部屋の出口に並べられる「選ばれし者たち」を見て、三者三様の反応をするワグネリアンでした。ちなみにメイク作業はとても親切にやってくださり、なかなか味わえない貴重な体験をさせていただきました。

栄養ドリンクで気合注入

栄養ドリンクで気合注入

発声を終え、おなじみのブレザーを着てスタジオルームに向かいます。ピカピカに磨かれた鏡のような黒の床、鮮やかな照明に彩られたセット、それを様々な角度から撮るいくつものカメラ。いよいよ収録の開始です。
歌い手はセットに整列し、学生指揮者がカメラの後ろで指揮を振る、という格好でした。セットに立ち、リハーサルで通して歌ったあとモニターの前に集められ、自分たちの姿と声がテレビカメラを通すとどうなるかを、実際に見ることができました。みんなの感想としては、なんとなく苦笑い、という雰囲気。注意点を確認していざ本番です。

しかしここで思い知った、テレビという舞台の怖いところ。ご想像がつくかと思いますが、本番のテイクでミスや問題があった場合は、テイク2として始めから撮り直しになってしまいます。普段の舞台での演奏は泣いても笑っても一度きりですが、テレビ収録は撮り直すたびに一発勝負と同じ集中力を繰り返すことが必要なのです。何度かの勝負の末「いただきました」の声を聞き、ホッとする一同。こうして一つひとつの曲を収録していきました。

番組の1シーン

番組の1シーン

混声で歌った曲のうち2つ、コブクロの「ここにしか咲かない花」とDREAMS COME TRUEの「未来予想図Ⅱ」はそれぞれ、学生指揮者村山さんの高校時代からの友人の方々が編曲され、今回歌わせていただきました。練習にも足を運んでいただき、ただ一人のアーティストが歌うポップスをどのように合唱編曲したのか、大人数で歌うからこそ込められる意図など、たくさんのことを教えていただきました。なかなか普段は素直なラブソングを歌うことが少ない私たちですが、不器用ながら等身大の思いを込めて歌うことができたのではと思います。

さて、その放送日は2回にわたり、
1回目が11月15日(金)22:00~
2回目が11月22日(金)22:00~
を予定しております。
詳細につきましては番組表をご確認ください。

BS-TBS「日本名曲アルバム」のスタッフのみなさま、大変お世話になりました。ありがとうございました。

まだまだ未熟ながら、カメラの向こうの聴いてくださるみなさまへ向けて精一杯演奏させていただきました。演奏を通して、心地よい音楽のひとときをお届けできればうれしいです。ぜひ、放送をご覧ください。