日記

第147回定期演奏会

先日の定期演奏会を持ちまして卒団いたしました、147代責任者の髙﨑です。

去る2022年12月26日に、東京芸術劇場にて慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団第147回定期演奏会を開催いたしました。この度の演奏会でお世話になった先生方、OB の皆様、関係者の皆様、そしてこのような状況の中でもご来場いただいた皆様、配信をご視聴いただいた皆様に御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

第1ステージでは、佐藤正浩先生指揮で三善晃作曲の「三つの時刻」を演奏いたしました。この組曲は合わせて10分にも満たない短い組曲となっております。我々はその短い時間の中で、どれだけ細かく音楽を表現できるかということに取り組んで参りました。短い時間の中で一切途切れることない長いフレーズを作り出すために、合唱団でしかできないことを最大限に活かしながら曲に取り組んで参りました。また一方で速いフレーズの多い2曲目などでは、言葉が速さに負けないように、子音の発音を工夫しました。

第2ステージでは、辻裕久先生指揮でG.ホルスト作曲の「6 choral Folksongs Op.36b」より抜粋で演奏いたしました。客演指揮者である辻裕久先生にイギリス英語の意味合いや演奏するための英語の発音、英語のフレーズの作り方などを徹底的に指導して頂きました。民謡ということも有り、楽譜は比較的簡単なものとなっていました。しかしその単純さゆえに、音楽的に呼び起こそうとするには中々大変でありました。良い文化に触れることができたように思います。

第3ステージでは、学生の南朔指揮で木下牧子作曲の「真夜中」を演奏いたしました。こちらの組曲は9月に早慶交歓演奏会で演奏したものです。早慶交歓から定期演奏会までの練習で、言葉と音楽の流れを見直し、さらなる細かな表現を作り出しました。楽譜が複雑なこともあり、慣れることによって曲のライブ感が無くならないように、各個人がさらに楽譜を読み込むなど、それぞれの自主的な取り組みによる影響も大きかったと思います。

第4ステージでは、佐藤正浩先生指揮でCarl Orff作曲の「concento di voci」を演奏いたしました。この組曲の特徴である、あるフレーズを繰り返し用いるオスティナートという方式を、いかに表現できるかということに重点を置きました。特にソロから始まる2曲目は大変な努力を要しました。早いテンポで少しずつ変化していく歌詞を覚えるために、時には練習後の寒い夜に屋外で暗譜チャレンジをしたこともありました。

第5ステージでは、佐藤正浩先生指揮で三善晃作曲の「路標のうた」を演奏いたしました。この組曲は2群合唱となっているため、それぞれのパートを半分に分けて演奏いたしました。2つの合唱団が互いに話しかけ合いながら曲が進んでいくように、演奏しました。「声を多少犠牲にしても良いから、表現を優先して欲しい」という佐藤先生の気持ちに、負けじと練習してまいりました。三善晃が大学生に求めた「熱さ」を表現できたと思います。

第5ステージ後は、佐藤先生、辻先生、南朔によるアンコール、そしてストームを行いました。去年一昨年では実現できなかった、『丘の上』の演奏中の肩組みを今年は行うことができました。卒団生だけで歌う途中のソロパートの部分では、4年間の思い出が一気に甦り、そしてそのような生活もこれで終わってしまうのだ、という寂しさを感じながら歌いました。

今年度は「コロナ禍からの復活」という目標を立て、結果としてほぼ全てのイベントを開催することができました。経験したことがなかった六連や関西開催の四連を経験でき、さらに早慶交歓演奏会という滅多にない演奏会も行えたことを、大変幸せに思います。また金銭的な面や技術的な面などにおいて、ワグネルはOBや先生方など、さらには団の中心である「現役自身」の強い関わり合いがあってこそ成り立っている団体なんだと実感しました。

今後はワグネルOBとして、現役が147代のように伸び伸びと演奏活動に専念できるように、できる限りの支援をして参りたいと思います。

今後とも慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団をどうぞよろしくお願いいたします。

第5ステージの様子