122回
演奏者


 第122回定期演奏会 

1997年12月
20日(土) 東京厚生年金会館大ホール


演奏曲目  試聴可 
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  1. 畑中指揮 “CHANTS D'AUVERGNE”(オーベルニュの歌)
  2. 佐藤指揮 歌曲集「子供の不思議な角笛」より
  3. 学生指揮 20世紀イギリス合唱曲集
  4. 北村指揮 男声合唱組曲「雪明りの路」
  5. 畑中指揮 オペレッタ「メリー・ウィドウ」より
  6.      アンコール

先生の言葉 畑中北村佐藤大久保谷池藤田浅岡小泉本庄

 PROGRAM 

慶應義塾塾歌
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第1ステージ
“CHANTS D'AUVERGNE”
(オーベルニュの歌)
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  1. Baïlèro  《バイレロ》
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  2. Chut, chut  《チュ・チュ》
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  3. Brezairola  《子守歌》
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  4. Lou Coucut  《かっこう》
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  5. Passo pel prat  《牧場を通っておいで》
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第2ステージ
歌曲集「子供の不思議な角笛」より

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  1. Rheinlegendchen  《ラインの伝説》
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  2. Das irdishe Leben  《この世の生》
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  3. Wo die schönen Trompeten blasen  《美しき喇叭のなるところ》
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  4. Revelge  《惨殺された鼓手》
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第3ステージ
「20世紀イギリス合唱曲集」

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  1. DRINKING SONG  《酒飲みの歌》
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  2. How Mighty are the Sabbaths  《偉大な安息日》
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  3. Greensleeves  《グリーンスリーブス》
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  4. The Ballad of LITTLE MUSGRAVE and LADY BARNARD
      《お小姓マスグレープと、バーナード夫人の物語》
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第4ステージ
男声合唱組曲「雪明りの路」

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  1. 春を待つ
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  2. 梅ちゃん
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  3. 月夜を歩く
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  4. 白い障子
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  5. 夜まはり
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  6. 雪夜
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第5ステージ
オペレッタ「メリー・ウィドウ」より

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  1. Lied der Hanna und Ensemble  《ハンナの歌とアンサンブル》
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  2. Auftrittslied  《登場の歌〜もう仕事はたくさんだ!》
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  3. Marsch  《行進曲〜女とは、げに》
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  4. Romanze  《ロマンス》
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  5. Tanz und vilja-Lied  《踊りとヴィリアの歌》
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  6. Finale und Duett Valse  《フィナーレとワルツ》
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アンコール&ステージ・ストーム
  1. L'Herure Exquis
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  2. Go Tell It On The Mountain
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  3. Sole e Amore
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  4. Finlandia-hymni
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  5. 若き血
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  6. 我ぞ覇者
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  7. 慶應讃歌
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  8. 丘の上
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 先生の言葉 

専任指揮者・畑中 良輔
苦しみの四小節

 「メリー・ウィドウ」といえば、ウィーンの世紀末的文化の爛熟の極みにあるオペレッタとして、今なおウィナー・オペラの代表格である。洗練と優雅、退廃と感傷をないまぜにしながら、いわゆる“ウィーン”を満喫させてくれる作品だ。
 なんとも愉しさいっぱいのオペレッタだが、私には「メリー・ウィドウ」というと真っ先に“苦しみ”が思い出される。男声合唱を通じて「ウィーン情緒」を!と思い、北村協一君を煩わせ、男声合唱版が出来上がった。その初演のための夏合宿。今思っても、当時の辛かったあの状況が克明に甦る。
 あれは蓼科での合宿。今のように音楽練習ホールのある旅館なんてない時代だ。薄暗いタタミの大広間(ここで食事だが)のチャブ台を片づけて、そこで九十名ほどの団員が並ぶ。タタミやフスマの部屋では声は吸われてしまって反響はなく、三日目にはもう声なぞ全く出ない状況だ。合宿は当時は午前九時から午後九時半まで。途中の昼食、夜食各一時間の休みだけであとは歌い続けるのである(もちろん私も立ったままで棒の振り続け。それは今も同じ)。
 もう声の出なくなった頃、終曲の練習となった。O komme, doch O kom! の四小節あまりが、どうにもならない。ウィーン情緒もへったくれもない。一時間経ち二時間経ち、それでも進展はない。ただ8分音符が並んでいるだけのフレーズ。もうこうなったら一人ずつやるっきゃない!と私も肚を決めた。
 それからこの四小節あまり一人ずつの特訓である。一人につき5回歌わせたとしても450回以上の計算だ。200回目あたりから私もクラクラ目まいを起こしそうになった。こちらもちょっとでも気を抜こうものならたちまちお互いの緊張関係は保てない。私は柱に片手で掴まりながら(もう立っていられず)、棒を振り続ける。「もう一度!何度云ったらわかるのか!」怒声の連続でこちらの声ももう出ない。お互いに意地の張り合いである。ウィーン気分なんてもうトンデモナイ。
 あの時の辛さは未だに身に沁み込んでいる。これが芸大の学生なら、二度やって出来なければ、フメンを叩き付けて教室から追い出す、というのが私の主義なのだが、ここは芸大ではなく慶大。ゲとケの違いは大きい!! ひたすら忍耐、忍耐、忍耐。
 今回の「メリー」は三回目の定演曲目だろうか。あれほど苦労したあの四小節が、何と二回目のときはウソのようにすんなり行ったのだ。エッ? 何故? また「忍耐!」を覚悟で出かけた合宿だったが、信じられないような進歩は一体どうしたことだろう。最初のときの学生は全くいないというのに。
 やはり伝統と年輪というものなのだろうか。音楽に対する柔軟性がより豊かになったというべきなのだろうか。
 今回もそれほどの苦労はなかったが、ケイコの大切な時期に、新国立劇場の仕事で手が離せず、夏合宿以来やってないので、また最初の段階へ後退しているのではないかと、そのキョーフにおののいている今日である。さて、今夕、そこの箇所ヘ来たら皆さん、耳をそばだてて下さい。   

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客演指揮者・北村 協一
多田作品とワグネル男声

 今年の東京六連で、何か日本語でアカペラの曲をということと、学生諸君らの希望もあって多田作品の中で名曲と言われ、しかも結構難しい「雪明りの路」を指揮することになり。通例なら定期演奏会では上級生だけで六連の曲は演奏するのですが、今回の定期は一回生も入れ全員で演奏することになりました。
 ワグネルは団の名前が示すように何年かに一度は必ずワグナーの作品を畑中先生の指揮でOBも交え演奏しますが、太くスケールの大きな線でグイグイと音を紡ぎながら、ドイツ音楽の特色をよく生かした演奏を得意としています。
 しかし音楽は多種多様、多田作品のように(一寸歌曲的に)言葉の持つ色彩感や、情感を掬って音楽を作り上げていくものも歌って欲しいものです。
 我々日本人は基本的に日本語を使って生活しています。日本語で喜怒哀楽を表現しながら日本国中毎日を泣いたり笑ったりと表情豊かに賑やかに暮らしています。他の国と比べても決して劣らず豊富な語彙と感情の機微の違いを微妙に使い分けて居ることを考えると、とても素晴らしい言葉を持った国民と言っても過言ではないでしょう。
 でも、一旦その日本語が歌詞となって音楽作品になった時、聞くも哀れ豊かな生きた日本語が死語になってしまう事の多い事ったら! 日本語の美しさをハモりやすい多田作品を通して今一度世界に冠たる素晴らしい日本語に蘇らせてくれればいいのですが。
 一回生も上級生も日本語と格闘しています。歌詞と音楽が一体となって皆さんに多田作品が伝わる事を祈ってやみません。  

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客演指揮者・佐藤 正浩
演奏会を前に

 今から10年前、1987年の冬にワグネルの演奏旅行でヨーロッパに行った。始めに立ち寄った街がザルツブルグ。僕にとっての初めてのヨーロッパだったのでとても強く印象に残っている。ゲトライデガッセの街並みやザルツァッハ川の流れ、メンヒスベルグから望む数々の教会のドーム等、僕にとって一生忘れる事の出来ない思い出となった。その美しいザルツブルグで、ガイスベルグの麓で僕は今年の夏を過ごした。
 モーツァルトをそしてカラヤンを生んだ街。現在では華麗な音楽祭が人々を魅了し、毎年世界各国から音楽家、音楽ファンが集まるしかし、その音楽祭が開始されるずっと前から、ザルツブルグは人々を魅了し続けてきたに違いない。マーラーもその魅せられた一人。ハンブルグやブダペストの、後にはウィーンの歌劇場の音楽監督を務めながら、夏には毎年ザルツブルグ近郊、アッター湖畔の町シュタインバッハを訪れ作曲に専念した。マーラーの交響曲を聞いていると、自然の営みの音がいたるところから聞こえてくる。鳥のさえずり、木々のざわめき、花々の対話、水の戯れ、嵐の怒り、宇宙の神秘、大地の嘆き、等々。僕も1ヶ月の間、絵書きや作曲家、評論家の友達とゆったりとした時を過ごしながら、自然の音に酔い、自然と共に呼吸し貴重な時間を過ごした。今宵演奏する<子供の不思議な角笛>は大衆的な詩をもとに作曲されているため、もっとヒューマンな色合いが濃いが、やはり自然への憧憬、愛が底辺にあるような気がする。因に今日の<角笛>の為の編曲はこの夏の間にザルツブルグで構想、着手した。
 最近僕は引っ越しをした。前はオペラハウスからすぐの繁華街に住んでいたのだが(例にもれずリヨンのオペラも町のど真ん中にある。)、ザルツブルグでの1ヶ月が僕を変え、もはや自然が周りに奈い生活が出来ない身体になってしまったようだ。捜し回った末、川沿いのまさしく緑の山に囲まれた家を見つけた。今は紅葉が見事。幸せである。

11月 リヨンにて

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ヴォイストレーナー・大久保 昭男
定期演奏会に寄せて

 第122回の定期演奏会を、今年も立派に迎えられ、おめでとうございます。
 雨の日も風の日も毎回の練習に集まり、こつこつと曲を作り上げてゆくワグネルの諸君の、努力と忍耐に対して、私は、「よく頑張ったね。」と、一人一人に云いたい気持ちです。
 指揮者から数多くの要求があっても、それを確かに受けとめて歌っていく「各自の音楽する声」が必要です。発声が難しいのは確かですが、決して難しく考えすぎない事です。自分の発声がいい方向に進み始めると、良循環になって、自分でも声を出すことが楽しくなるものです。日頃の発声練習で得た音楽的な声を大いに使って、今宵も心から深い音楽を演奏して下さる様、願ってやみません。  

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ピアニスト・谷池 重紬子
第122回定期演奏会に寄せて

 第122回定期演奏会おめでとうございます。私が、ワグネルと御一緒させていただくようになってから、どのくらいたったのでしょうか。最初のころは熱気ムンムンの練習会場に入ると何となくいたたまれない感じがしておりました。なのに…… いつの間にか母親の年になってしまいました。気持ちだけはまだまだ若いつもりなのですが。孫たちと一緒に演奏ができるようになるまで指が動いているでしょうか?
 ワグネルとのステージはいつも畑中先生の音楽に対する深い愛情と部員たちの熱い情熱によってつつまれ楽しく演奏する事が出来ます。在団生はもとより巣立っていかれる方々にとっても貴重な思い出の1コマになりますことを心より望んでおります。  

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ピアニスト・藤田 雅
第122回定期演奏会に寄せて

 「G.マーラー」「B.ブリテン」「G.ホルスト」
 僕にとってはそれぞれに思い出のある作曲家であるが、特にマーラーは10数年前の「悪夢」を思い出す。
 当時、桐朋学園大学音楽学部フルート専攻の4年生だった僕は、生まれて初めてプロのオーケストラ、***交響楽団のエキストラ団員としてマーラーの「交響曲8番〜千人の交響曲〜」の演奏会に参加していた。その名の如くこの曲は膨大な人数を必要とし演奏時間も2時間近くかかる壮大な素晴らしい作品である。しかし、事もあろうにその時の本番スケジュールは日曜日の昼夜2回、1日に2度もやると言う無謀なものであった。1回目の本番は無事終わり、さあ2回目の本番。オーケストラのチューニングも済んで指揮者の登場を待っていたその時、突然「尿意」が僕を襲った! 『あ、どうしよう、始まったら2時間はトイレには行けないぞ!!』 しかし時すでに遅し、その瞬間指揮者が登場!!! その後どうなったかは御想像におまかせします・・・・・。
 一人一人が大人としての自分に「責任を持ち」「本音をぶつけ合い」より良いものを創るために「考え」「努力」し「前進」するワグネルの姿は、人間として美しく輝き、そのステージに生命を与える。それはある意味で当然の行為であるのに、現在の日本の社会の中ではとりわけ光り輝いて見えるのは果して僕だけの思い過ごしであろうか?
 僕にとってワグネルと一緒に音楽することは、どんな仕事よりも有意義な時間であり、その度に音楽家として忘れてはならないものを思い出させてくれる。そんな彼らが、これからも大きな拍手で賛えられ続けることを心から願ってやまない。   

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コールアングレ・浅岡 克則
第122回定期演奏会に寄せて

 私と「慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団」との出会いは、半年ほど前の東西四大学合唱演奏会でした。そのとき演奏したのは、今回の演奏プログラムの中にもある「オーヴェルニュの歌」でした。その練習、そして本番と、時間を共にさせていただいた訳ですが、ワグネルの皆さんに、演奏を楽しむと共に音楽に対する情熱を感じたのが今でも心に強く残っています。又、男声のみの合唱の、混声合唱や女声合唱とは違った魅力を、改めて感じることができました。そして、これらのことは、「オーヴェルニュの歌」の歌詞やハーモニーの持つ独特の響きと共に、今でも印象深く私の心に残っています。
 今回、この定期演奏会で再びワグネルの皆さんとご一緒させていただける事を、非常に嬉しく思っています。この演奏会が素晴らしいものにできるよう、そして、ワグネルの皆さんのパワーに負けないように、私も精一杯演奏したいと思っています。  

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独唱・小泉 恵子
第122回定期演奏会に寄せて

 今まで、ワグネル合唱団の皆様と何度かご一緒させて頂きましたが、中でも大阪、名古屋での演奏会の祭には、故木下保先生も御同行され、私にとりまして大変思い出深い旅となりました。
 あれから月日は経ちましたが、その後、当時現役で歌っていらした方々と、様々な舞台で偶然にもご一緒させて頂く機会もございました。
 ワグネル合唱団の皆様のさわやかな演奏に接して、私がいつも感じますのは、伝統に裏付けられた気品ある音色と純粋な美しさです。これは、音楽に対する真摯で素直な姿勢から生まれるものだと思います。
 私はワグネル合唱団の皆様から、自分自身の日常生活で、又、演奏活動する上で一番忘れてはならない尊い事を学ばせて頂いている様に思います。
 今日再び、皆様と音楽を共有させて頂ける喜びを心から幸せに感じております。  

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ヴァイオリン・本庄 篤子
第122回定期演奏会に寄せて

 ワグネル・ソサィエティー第122回定期演奏会を開催されることを心よりお祝い申し上げます。畑中良輔先生よりご依頼をいただき、レハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」に参加させていただきますのは、今回が初めてではなく、すでの2度ソプラノの小泉恵子さんとともに演奏会をご一緒させていただいております。1度目は、1980年、第105回定期演奏会で東京、名古屋、大阪の演奏旅行に参加し、また、1986年の第111回定期演奏会(サントリーホール)でもヴァイオリンの演奏をお手伝いいたしております。合唱団の皆様の音楽に対する真摯な姿勢、人に接するときの礼儀正しさ、厳しい練習が続く日々でもなごやかな表情を絶やさずに音楽に没頭する様子は今でも忘れることができません。皆様と一緒に「メリー・ウィドウ」のやわらかなワルツの調べ、流麗なリズムを演奏しておりますと、いつのまにか、ハプスブルク王朝時代の最後の絢爛とした、どこか頽廃の美の気配が漂うウィーンが甦ってくるような気がいたしてなりません。
 今回、久しぶりに畑中先生、小泉さん、そしてワグネルの皆様とご一緒させていただき、なつかしい「メリー・ウィドウ」の演奏に参加させていただきますことを大変嬉しく存じております。  

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